農家の編集部通信「vol.1 手塚農園」
2024年12月。
道の駅「明治の森・黒磯」の商品開発部の北村が、2025年3月に発売する新商品「手塚さんちの長ねぎドレッシング」の主役となるネギを育てる手塚農園さんを訪ねました。
農園に到着するなり太陽のような明るい笑顔でわたしたちを出迎えてくれたのは、手塚(てつか)海斗さん。約1年前から祖母の信子さんに教わりながら、長ねぎをはじめとする様々な野菜を育てています。


「この子は病気あがりの子、この子は元気な子……」
そうやって一本一本紹介してくれた海斗さん。
私たちには同じように見えるネギでも、抱えている問題は様々です。畑と向き合い、それぞれの状態を見極めながら丁寧に課題を解決していく。そんな日々をコツコツと積み重ねることでこの風景が生まれるのだということを肌で感じ、目の前にあるネギたちが一層輝いて見えました。

ネギには多くの品種があり、一年を通して出荷できるように季節に適したものを植えていきます。このとき栽培していたのは「森の奏(かなで)」という品種で、太りやすく安定したサイズのネギが収穫できるのだそうです。
海斗さんが目指すのは“そのまま食べても美味しい野菜”。土の中の微生物を活性化させることを考えた土づくりがその鍵を握っています。

会社員時代に心身の疲れから休職していたとき畑仕事を手伝ったことが、農家になるきっかけでした。高齢で引退を考えていた信子さんも、「海斗がやってくれるなら」と、海斗さんの決意を喜んでくれたそうです。
「大変なことばかりだけど、良くなっていくのが目に見えてわかる。上手くいかないことを上手くいくようにするのが楽しいんです!」
自分で考え、自分で決める。結果を出すために努力する。全ての責任が自分にある状況は怖いけれど、それと同時に大きなやりがいを感じられたと話す海斗さんの表情に曇りはありません。
「自分でも驚いたけど、今は農家を選んで正解だったと思っています。」

「自分達のネギを使ってもらえるのはもちろん嬉しいし、他の農家さんだったとしてもネギの魅力が伝わって盛り上がるなら大歓迎です。」
那須塩原のネギが美味しいということを知ってほしい。そう伝えてくれた海斗さんからバトンを受け取り、私たちがその思いをつなぎます!
